この実験ノートは、DEKIRU-JANの「身体と生活」「安心と神経系」を、仰向けで休めない身体の反応から観察したものです。
夜、ベッドに横になる。
今日も一日頑張ったから、ようやく休める。 そう思って仰向けになる。
でも数秒もしないうちに気づく。
腰が浮いている。
首が詰まる。
脚を伸ばすと苦しい。
「力を抜こう」と思うほど、どこかに力が入る。
そんな経験はありませんか。
多くの人は、この状態になると、こう考えます。
- もっと力を抜かなきゃ。
- 姿勢が悪いんだ。
- ストレッチが足りないのかもしれない。
でも、少し違う見方をしてみます。
できないのではなく、まだ「できる条件」が揃っていないだけかもしれません。
腰を観察してみる
腰の下に手のひらを入れてみてください。
すき間があるかもしれません。 そのすき間を消そうと、腰を無理に床へ押しつけてみます。
すると今度は、膝が浮いてきませんか。
脚をまっすぐ伸ばしたときだけ、腰が浮く。 膝を曲げると、腰は少し床に近づく。
分かったことは一つです。
脚の角度が変わると、腰の反応も変わる。
これは事実です。
では、なぜ変わるのでしょう。
股関節の前側の筋肉が影響しているのかもしれません。 体幹の深い筋肉かもしれません。 あるいは、別の要因かもしれません。
今はまだ分かりません。 だから次はそこを観察します。
答えを急がないことが、DEKIRU-JANのやり方です。
首を観察してみる
腰を床に近づけようとすると、今度は顎が上がり、首の付け根が詰まる。 そんな感覚はないでしょうか。
ここで、一度ゆっくり息を吐いてみてください。
吐く息が浅くなっていませんか。 胸の上のほうしか動いていない、という人もいるはずです。
分かったことは一つです。
呼吸が浅いとき、首の詰まりが強くなる。
これも事実です。
なぜそうなるのかは、まだ分かりません。 胸郭を支えるために首が代わりに働いている、という見方もできます。
でも、それも一つの仮説にすぎません。
小さな実験をしてみる
膝を胸のほうへ抱えてみてください。
正しい姿勢を作るためではありません。 身体がどう反応するかを見るためです。
その姿勢のまま、もう一度、息をゆっくり長く吐いてみます。
- 腰は、床に近づいたでしょうか。
- お腹の力は、抜けたでしょうか。
- 首の詰まりは、変わったでしょうか。
- それとも、何も変わらなかったでしょうか。
どちらでも構いません。
これは失敗ではなく、身体が返してきた一つのデータです。
持ち帰ってほしいもの
今夜、腰のすき間は完全には消えなかったかもしれません。 首の詰まりも、少し軽くなっただけかもしれません。
それでも、一つだけ変わったことがあります。
「力を抜けない」という一言でまとめていた状態が、脚の角度、呼吸の深さ、首の代わりの仕事、という具体的な部分に分解できました。
そして、それぞれに、次に試せる小さな動きがあります。
「どうして力が抜けないんだろう。」
という問いは、
「何を変えると、身体は少し楽になるんだろう。」
という問いに変わります。
小さな違いに見えるかもしれません。
でも、この問いを持てるようになると、身体は敵ではなく、一緒に観察していく相手になります。
最後に
仰向けで休めない身体も、勉強が続かないことも、人前で緊張することも、同じ問いで見られるのかもしれません。
「なぜできないのか。」ではなく、
「何が変われば、できる状態になるのか。」
DEKIRU-JANは、その条件を一つずつ観察していく実験です。